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授業中、子どもたちに声をかけてまわる学校司書の吉田未来さん(右から2人目)=2025年3月13日午前11時20分、東京都荒川区、西田有里撮影

 子どもたちが多くの本に触れ、授業と関連づけて学びを深める場ともなっているのが、学校図書館だ。専任の「学校司書」を配置し、子どもたちの読書量や授業での活用が増えている自治体がある一方、配置が進んでいない地域もあり、格差が生じている。

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 3月中旬、東京都荒川区立ひぐらし小学校の図書館を訪ねると、2年生の国語の授業中だった。教科書でモンゴルが舞台の「スーホの白い馬」を読んだ子どもたち。今度は図書館で、外国のことが描かれたさまざまな本を読んでいた。

 授業のねらいは、本を読んで考えをまとめ、伝える力をつけること。担任の宮田寿美江さんと学校司書の吉田未来さんが、一緒に考えた。それぞれの子どもたちの読解力にあわせて、2人は「この本はどうかな」「こっちのほうが読みやすいよ」と声をかけていく。子どもたちは次々と本を手に取り、感想を発表しあった。

 同区では2009年度から、全ての小中学校で、専任の学校司書が週5日常駐している。14年の学校図書館法改正で、配置が努力義務となる前からだ。区教育委員会の担当者は「家庭の経済格差によって学びの環境に差が生じないように、学校図書館を充実させてきた」と話す。学校司書の配置も、その一環だった。

 学校司書の配置は努力義務だ…

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